たしか2歳だった
いつもお父さんが運転している赤い車。
いい天気の朝、車で出かけようと、お父さんとお母さんは支度中。
一足先に靴を履かせてもらった私は、あることに気がついた。
・・・助手席のドアが開いてるじゃないか・・・!!
ずっと試してみたかったことを行動に移せるチャンスは、今しかない。
それは、自分の力で、助手席に乗ることだ。
一目みた瞬間に、私のからだは全速力で、車へ歩いていく。
まっすぐそのドアへ向かい、たどり着いた!やった!
まずは、助手席のシートに両手を伸ばしてみる。これはなかなかに高い。
そのまま左足をあげて足場を探すが、なかなか足が車体にひっかからない。
あと少しでいけそうだ・・・!!
というところで、いきなりひょいとからだが浮き上がり、なんなく助手席へと着地。
この手の感覚は、お父さんだ。・・・やられた・・・。
たまには自分で登らせてくれよ・・・。頑張ってたのに・・・。
いじけるとともに、強烈に感じたのは、悔しさという感情だった。
この気持ちを言葉に表すことなど到底できず、気持ちを切り替えられずに不機嫌なままの私な態度は、その後のお母さんの不機嫌な態度の呼び水となるのであった・・・。